2020.11.01

コラム

ヒートショック予防対策には「運動」を

 

日に日に寒さが増す時期。この時期に気を付けたいのがヒートショックです。暖かい場所と寒い場所を移動するだけでも起こる可能性があり、時には命を脅かすこともある現象です。ヒートショックとは何か、その原因や予防策についてお伝えします。

 

 

 

ヒートショックとは

 

ヒートショックとは、気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることです。寒くなる11月から2月頃に起こりやすい傾向にあります。
ヒートショックは、部屋と部屋の気温差が大きいと起こりやすく、最も起きやすいのが浴室やトイレと言われています。特に冬場の浴室の温度は低く、湯船の水温は40℃と高いため、その温度差が身体に大きな負担を与えてしまいます。
国の統計によると、交通事故の年間死亡者数を、ヒートショックでの死亡者数が上回るほど、ヒートショックは危険な現象です。特に、高齢者が家庭内で死亡する原因の25%を占めるなど影響を受けています。その他、糖尿病や高血圧の方、動脈硬化のある方、無呼吸症候群など呼吸に問題のある方も注意が必要です。
ヒートショックによる症状は、軽度の場合は立ち眩みやめまいなどが挙げられます。重度になると、失神や心臓発作、脳卒中を起こしてしまうケースもあります。特に、入浴中にヒートショックの症状で溺れてしまう事故は多い傾向です。

 

 

 

ヒートショックの予防策

 

ヒートショックを予防するポイントは、血圧が急激に変化しないようにすることです。日常生活での予防策は、次のようなことが挙げられます。

 

・脱衣所を暖める
脱衣所に暖房器具を設置して入浴前に暖め、暖房の効いた部屋との温度差を少なくします。

 

・入浴前に浴室を暖める
浴室暖房機能で入浴前に浴室を暖めたり、暖房設備のない場合は、お湯を張る時に高い位置からシャワーで浴槽にお湯を張ることで、浴室の温度を上げることができます。

 

・お風呂の温度
お風呂の温度が42℃以上になると心臓に負担がかかります。38℃から40℃で入浴することをおすすめします。

 

・入浴前に水分を摂る
入浴中は汗をかくため、脱水予防のためにも入浴前に水分を摂りましょう。

 

・食後や飲酒後の入浴を避ける
食後は血圧が下がりやすいため、食後すぐの入浴は避けましょう。また、飲酒後はアルコールが抜けるまで入浴は避けましょう。

 

・かけ湯をして入る
入浴の際は、手や足など心臓から遠い場所にかけ湯をして、身体をお湯に慣れさせてから入りましょう。

 

・長湯しない
10分以内を目安に長風呂は避けましょう。

 

 

 

ヒートショック予防に「ヒートショックプロテイン」

 

身体の中には様々なタンパク質があります。その中で「ヒートショックプロテイン(HSP)」というものがあります。「ストレス防御タンパク」とも呼ばれ、細胞内の傷ついたタンパク質を修復してくれる成分です。新陳代謝の促進にとても重要なタンパク質です。1962年にイタリアのリトサ博士が発見して以来、世界中で研究され、ほぼすべての生物に存在する成分ということが分かってきました。
ヒートショックプロテインは、免疫機能の制御やがん予防にも関与しているといわれており、さらに、体の免疫力や心臓血管系の疾患を予防する効果も期待できます。この成分を増やすことは、ヒートショックの予防にも繋がるのです。

ヒートショックプロテインは大半の細胞に存在しています。体温が1~2℃程上がると増えるため、少し汗が出るくらいの状態で増やすことができます。一方、年齢と共に体内のヒートショックプロテインは減少していくと言われています。年齢と共に、ケガが治りにくくなったり、体調を崩した時に治りづらかったり、太りやすくなるというのも、この成分の減少が影響しているのです。

 

 

 

ヒートショックプロテインを増やすには運動が効果的

 

ヒートショックプロテインは、身体に熱によるストレスを受けることで増加します。身近な習慣でいうと「運動」が効果的です。
「スポーツが健康に良い」といわれるのも、ヒートショックプロテインが免疫力を高めてくれるからです。運動によって筋細胞中のタンパク質が増加するには、タンパク質の合成が迅速に行われることが必要となります。この時にヒートショックプロテインが多くあると、スムーズに合成が進むのです。
効率的に増やすには、適度な運動、特に「筋トレ」と「有酸素運動」の組み合わせが適しているといわれています。腹筋やスクワット、腕立て伏せなどを20回程度した後に、ウォーキングを15分程行うなどの組み合わせがおすすめです。汗が出て少し疲れを感じるくらいが目安です。


また、「入浴」も効果的です。シャワーではなく湯船に浸かって体温を上げ、保温することでヒートショックプロテインを増加させ、免疫力もアップします。あまり熱すぎない温度(40℃くらい)で、10分程浸かりましょう。入浴後は適温の部屋で身体を冷やさないようにすることも大切です。

 

 

ヒートショックは少しの工夫でリスクを減らすことができます。危険性を理解し、出来る予防を習慣化することが大切です。

アルペンクイックフィットネスでは、30分で出来る運動プログラムをご用意しています。継続的に行うと、体力や免疫力アップだけでなく、ストレス発散にも効果的です。ちょっとした空き時間に適度な運動を行い、健康的な毎日を送りましょう。

 

 

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