2020.02.01

コラム

運動をして高血圧を予防しよう

健康診断で「血圧が高め」「高血圧」と診断されたことはありませんか。今や日本人の3人に1人が高血圧ともいわれている身近な病気のひとつです。高血圧予防は日々の生活習慣がポイントです。今回は高血圧が及ぼす影響と、予防におすすめの運動などを紹介します。

 

 

 

高血圧とは

 

高血圧とは、血管に過度の圧力がかかっている状態のことをいいます。一時的に血圧が上がる状態ではなく、慢性的に血圧が高い状態を指します。高血圧が続くと血管に負担が掛かり、脳の血管が破裂して脳出血を起こすリスクが高くなります。また、脳卒中や心筋梗塞など、様々な疾患を引き起こす恐れもあります。
理想的な血圧は「上が120/下が80未満」です。高血圧によって病気になるリスクとしては「140/90以上」が3倍、「160/100以上」が5倍、「180/110以上」が9倍にもなるといわれています。血圧が高い場合は、早めに専門機関に診てもらいましょう。
高血圧には、原因がはっきりしない「本能性高血圧」と、他の疾患や薬剤の副作用など原因が明らかな「二次性高血圧」の2種類があります。高血圧の9割は本能性高血圧といわれており、原因は塩分の取り過ぎ、肥満、ストレス、もともと高血圧になりやすい体質や、運動不足などが考えられます。一方、二次性高血圧は、ホルモン分泌の異常、薬剤の副作用、腎臓疾患などが原因で、原因を取り除けば血圧は下がります。

 

 

 

高血圧が引き起こす病気

 

高血圧には自覚症状がほとんどないため、健康診断で高血圧と診断されても放置されやすいのが現状です。しかし、高血圧の状態が長期間続くと、次のように身体に様々な影響を及ぼします。


動脈硬化:高血圧が続くと、動脈が硬くもろくなり、血管に過度の負担がかかる。この負担が心臓や血管、腎臓などに様々な障害を与える。


脳卒中:動脈硬化がすすむと、血管が詰まりやすくなるため脳卒中になる可能性もある。動脈硬化によってもろくなった血管に、高血圧の高い圧力が加わると、脳内の血管が破れて出血する脳出血や、動脈硬化がすすんで、脳の血管が詰まってしまうと血液が先まで送られなくなり脳細胞が壊死する脳梗塞などの合併症のリスクにつながる。

 

腎不全:動脈硬化により、腎臓のろ過機能が極端に低下する腎不全が起こることも。腎不全になると人工透析が必要になる。

 

認知症:高血圧が続き、脳梗塞が起こることで、血管性認知症が現れる。

 

大動脈解離:高血圧による動脈硬化は、太い血管にも影響し、大動脈が裂ける大動脈解離の原因にもなる。

 

 

 

セルフチェックと予防法

 

高血圧の改善・予防は日常生活の見直しから始めることができます。まずはセルフチェックで現在の自分の身体の状態を確認してみましょう。


・体力が落ちたと感じる
・体重の増加
・時々転ぶことがある
・少し動くと息が切れる
・血圧が高い

 

当てはまる項目がある方は、以下の事項を日常生活で意識してみましょう。


・減塩を心がける
・コレステロールを多く含む食品は控える
・禁煙する
・飲酒は適量を守る
・適度な運動を習慣にする
・ストレスをためない
・十分な睡眠

 

高血圧は軽度であればこれら生活習慣の改善で危険因子を減らすことができます。

また、血圧は1日の中でも時間帯や気温によって変動するため、年に1回の健康診断の結果だけで安心せずに、できれば毎日測定することをおすすめします。

 

家庭の計測器にて測る場合のポイントは、
・毎日同じ時間に測る:起床後1時間以内の朝食前と就寝前の2回
・リラックスして測る:椅子に座りゆっくりしてから測る(心臓の高さにある上腕の血圧を計測した値が基準となるため)

 

測定値は記録し、測定後心配なことがあれば専門機関へ相談しましょう。

 

 

 

高血圧予防におすすめの運動は有酸素運動

 

高血圧の予防には運動が効果的です。運動することで、血管の機能が改善され、降圧作用が得られ、高血圧症の改善に繋がるからです。強度の高い運動は血圧上昇の危険性があるため、高血圧予防には軽い運動から少しきつい位の中等度の有酸素運動が良いでしょう。ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車などです。ウォーキングの場合、一日60分程度が理想ですが、時間が取れない方は、通勤の際にバス停1区間分歩く、車移動から電車移動に変える等日常生活の中で工夫しましょう。


高血圧改善や予防で運動する際は、注意点も知っておきましょう。無理をすると危険な事態に至る可能性もあるからです。
・睡眠不足、体調不良、過労の時は運動しない
・水分補給をこまめにする
・運動前に準備体操、運動後に整理体操を行う
・冬は、防寒対策も心がけ暖かい時間帯に行う
・途中で痛みがでたら中止する
・心臓病や肝臓病など疾患がある方は、まずは専門医に相談してから行う

 

尚、腕立て伏せや懸垂といった息を止めて行う無酸素運動は、一時的に血圧が上昇するので、高血圧の方にはおすすめしません。

 

 

高血圧予防には、日々健康的な生活の実践と継続が大切です。そのため、個々のライフスタイルに合った形で無理なく取り入れることがベストです。アルペンクイックフィットネスは30分で楽しく運動効果が得られるトレーニングです。一人ではなく、みんなで一体となって行う運動なので、楽しみながらストレス解消にも繋がります。高血圧への正しい理解と意識をもって、運動も楽しみながら健康的に過ごしましょう。

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